睡眠管理アプリの罠「オルソソムニア」

いつの間にかスマートフォンは一人一台の社会インフラとも言える地位を獲得しています。日本でiPhoneが発売されたのは2008年。チャットや無料通話でお馴染みのLINEのリリースは2011年。東日本大震災当時にはまだラインはなかったと考えるとちょっと不思議な気持ちにもなります。
スマートフォンが普及するにつれ、アプリもより便利に使いやすく改善され、その利用範囲は非常に広くなりました。睡眠管理アプリもその一つです。今回はこの睡眠管理アプリにまつわるある病についてご紹介します。

完璧な睡眠を目指しすぎてしまう

皆さんは「オルソソムニア」という言葉を聞いたことがありますか。これはスマートフォンやスマートウォッチによる睡眠管理アプリにとらわれすぎてしまい、日常生活に支障をきたしてしまう状態を意味します。
睡眠管理アプリは起動させて眠るだけという手軽さで、自分の睡眠について詳細なデータを手に入れられる便利なアプリです。睡眠時間、眠りの深さなどを計測するだけでなく、いびきや歯ぎしりを録音したりその日の睡眠を採点したりする機能などもあります。
 朝目が覚めて「よく眠れた!」という気持ちで満たされているのが一番ですが、眠っている間のことは自覚できませんし、よく眠れたのかどうかはっきりしないという人も多いでしょう。そんな時客観的な数字で「今日の睡眠は80点!」と示されれば、合格点に安心できる気持ちにもなりますね。あるいは夜更かししてお酒を飲んだ翌朝に「今日の睡眠は40点」と示されれば自戒する気持ちになり、再発防止に役立ちそうです。
 しかしここに罠があります。もし「素晴らしくよく眠れた!」と感じた朝、睡眠管理アプリが「今日の睡眠は50点」という表示ならばどんな気持ちになるでしょうか。自分の感覚を信じたいと思いつつ、実はよく眠れていなかったのかもしれないと不安になってしまいませんか。
 美容・健康のためには良い睡眠が不可欠であることが分かってきています。単に睡眠不足を回避するだけでなく、より質の良い睡眠を求めて寝具を選び直し、入眠時刻や食事・入浴のタイミング、部屋の明かりを調整するなど工夫している人も多いでしょう。ここで目指す先が「実際によく眠る」ことではなく、「睡眠管理アプリで高得点を取る」ことになってしまうとオルソソムニアに陥ってしまう可能性があります。
 よりよく眠ろうというプレッシャーはストレスとなり、自然な入眠を妨げます。本来は眠くなってからベッドに入るのが理想ですが、睡眠時間を確保しなければアプリで高得点は出ません。無理に眠ろうとすればするほど目が冴えてしまい、いつの間にか本当の不眠障害に陥ってしまうかもしれないのです。
 
オルソソムニアを回避するためには、睡眠管理アプリを100%信用し依存してしまわないよう、あくまでも参考値、目安であるという意識を持つことが重要です。睡眠をコントロールしているのは自分自身です。睡眠管理アプリにコントロールされるのではなく、自分がコントロールする側であることを忘れないようにして、睡眠管理アプリを活用したいですね。

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