ニキビで受診するべき本当のタイミング

青春のシンボル、なんて言うと聞こえはいいですが、本人にとっては悩みの種であるニキビ。
実は「尋常性ざ瘡」(じんじょうせいざそう)という名の疾患なのです。
思春期にはできるものだから、触らず清潔にしておけばじきに落ち着く。これまではそんな対処をしてきた人が多いようですが、時代は変わりました。
ニキビ治療の最前線をお知らせします。

赤くなる前の受診がおすすめ!

以前は赤みを帯びたり、膿がたまって黄色くなったりした炎症状態になってから抗菌剤を塗布・服用する治療法しかありませんでした。
2008年、炎症になる前の毛穴詰まり(白ニキビ)に効く塗り薬が厚生労働省に認可され、ニキビ治療は劇的な変化を遂げることとなりました。2016年にはアクネ菌殺菌作用を持つ塗り薬も認可され、より効果的な治療が期待できるようになっています。
赤く炎症を起こす前の、肌にブツブツとした手触りを感じる白ニキビの段階で治療を始めることで、これまでのようなひどい炎症状態が数か月も続きクレーター状の痕が残るといった事態を防げるようになったのです。
たかがニキビ、と感じてしまうかもしれませんが、ひどいニキビが続いたり繰り返したりするのは大変な苦痛です。痕が残ってしまえば、恋愛や人前に出ることに憶病になってしまう可能性もあります。ニキビ痕がなければその後の人生が変わっていた、そう感じる人も実は少なくないかもしれないのです。
不規則な生活やストレスで、たまに一つできるニキビであれば、優しく洗って生活習慣を正す、ストレス解消を心掛ける、市販薬を使うなどでうまく対処できるかもしれません。
しかし、ホルモンの影響で皮脂が増え、毛穴が詰まったところにアクネ菌が増殖して炎症を引き起こすタイプのニキビは、その数も威力も化粧品で対応できる域を超えてきます。
中高生のお子さんをお持ちのかたは、ぜひ白ニキビの段階での受診をすすめてあげてください。もう昭和も平成も終わりました。令和のニキビ治療は、早期開始がスタンダードです。
ニキビの治療費は、一般的には薬代まで含めて3割負担で1か月あたり2000~3000円が目安。日本皮膚科学会でも早期のニキビ治療開始を呼びかけています。

もちろん、塗り薬の塗布とともに日常のスキンケアも重要です。ニキビの悪化を防ぐためには、ノンコメドジェニック処方と記載されている商品を選ぶようにしましょう。毛穴詰まりに配慮された商品なので、安心して使えます。