美しい女性たちがシニア層に突入していく

あ、いま、隣のお姉さまからの冷たい視線を感じました。「シニア層」という言葉のイメージが良くありませんでしたかね。
シニアという語には厳密な定義がありません。国連では60歳から、世界保健機構(WHO)では65歳からをシニアと定義していますが、日本老年学会では65~74歳を准高齢者、75~89歳を高齢者と区分しています。定年退職後をシニアと捉えるとすれば、定年65歳の時代が到来すれば65歳から、定年70歳の時代が来れば70歳がシニアとなるのでしょうか。

若々しく美しさを保つ努力をしながら年を重ねてきたキャリア女性たち

「シニア」「高齢者」は年齢も言葉もあいまいな大きな枠でのイメージでしかありませんが、仕事を人生の中心に据えて取り組んできたキャリア女性の先駆け世代が60代に突入していきます。男女雇用機会均等法施行後40年近くが経過し、この世代も徐々に定年カウントダウンに入ってきました。
「女性は家で夫をバックアップする」ことが一般的であった時代に、先駆けとして社会進出し、常に第一線で道を切り開いてきた女性たち。
彼女たちの姿は「おばあさん」というイメージには程遠く、若々しく美しいまま上手に年を重ねています。今がまさに社会意識が変化しているその大きなうねりのさなかなのかもしれません。
サザエさんの登場人物であるフネさん、一見するとワカメの祖母にも見えるその姿ですが、いったいいくつの設定なのかご存じですか。
諸説あるようですが、アニメ版ではなんと52歳設定だと言われています。
逆に、いつまでも若く見える女性芸能人の年齢を聞くと思ったよりも年齢が上で驚くことも良くありますね。

分かりやすいアイコンとなりえるキャラクターが出現すれば、一気に可視化されそうな中高年齢ビジネスウーマン。そんな彼女たちを指すわかりやすい言葉はまだありませんが、今後大きなマーケットとなりうるこの世代には近々名前がつくかもしれません。
「定年女子」「大人女子」「シニア女子」どれもまだしっくりきませんが、名前が付けばその層の厚さ、アンテナの高さ、購買力などから大きなマーケットであることがより鮮明になりそうです。
とくにスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ヘアメイクなどの美容分野では、これまで以上にエイジングケア商品の開発が活発化すると考えられますので、今後とも注目していきます。