香りは脳にダイレクトに届く

好きな香りはありますか。その香りを嗅ぐと幸せな気分になりますか。
香りは鼻の奥で粘膜に付き、電気信号に置き換えられて神経を伝達して大脳辺縁系に伝わります。大脳辺縁系とは脳の中でも記憶や学習、情動といった機能と密接につながる部位です。嗅覚により感情や気分が変化するのは、「これは何の香りで、嗅ぐとこういう効果がある」などと意識したり考えたりする前にダイレクトに脳に届くからだと考えられています。

香りで気分をコントロールする

上手に香りを使うことによって感情をコントロールしてみましょう。
一日が始まる朝に好きな香水をつけることで、今日も頑張ろうと気合が入る。あるいは、一日頑張ったのでリラックスするために好きな香りのクリームでボディケアする。
感情をコントロールするというと仰々しく聞こえますが、こういった形で香りを上手に生活に組み込んでいる人は少なくないでしょう。
ここからもう一歩踏み込んで、会議や試験などここぞという集中力を発揮したいときには覚醒作用のある香りを嗅いだり、ちょっと一息入れたいときにはリラックス作用のある香りを嗅いだりと、香りを持ち運ぶのもおすすめです。嗅覚は香りに出会ったそのときが一番鋭く、ずっと嗅いでいると慣れてしまって香りを感じにくくなってしまいます。効果的に気分転換するためには、その瞬間にフレッシュな香りを嗅ぐのが効率が良いと言えそうですね。
香りを上手に使うことで、ストレスを軽減することもできそうです。意識していなくてもストレスや疲れはいつの間にかたまってしまうもの。体を動かすなどして発散する方向も素晴らしいですが、好きな香りで癒やされる至福の時間もぜひ過ごしてほしいと思います。
どんな香りを嗅げばよいのか疑問に思うかもしれませんが、これについては「好きな香りを嗅ぐ」のが一番です。脳が快いと判断した香りの情報は大脳辺縁系から視床下部にまで伝わり、自律神経や内分泌系にまで良い影響を及ぼします。
思っているよりも香りの効果は心身全体に作用しているわけですね。

化学の研究が飛躍的に伸び、どんな香りでも人工的に作り出せるようになってきました。今や身の回りは香りにあふれています。
洗濯洗剤、柔軟剤、ヘアケア製品、スキンケア製品、コスメ、香水、ルームフレグランス、等々。
香りを活用できるチャンスは無限にありそうですね。さまざまな香りの中からお気に入りを見つけ出しましょう。好きな香りはきっと生活の質を上げてくれますよ。