シリコンは悪いって本当？目的別シャンプーの選び方

シャンプーを買おうとするとき、「ノンシリコン」が謳われている商品とそうではない商品があったらどちらを選びますか。「なんとなく髪に良さそうだな」とノンシリコンというフレーズを決め手に商品を選ぶことがあるでしょうか。
巷ではどうにもシリコンは悪者のイメージが強いようです。
しかし実のところ、シリコンは悪者だと一概に言い切ることはできません。
シリコンについて正しく知り、上手に使いこなして健康できれいな髪を目指しましょう。

シリコン＝まとまり重視　ノンシリコン＝ボリューム重視

シリコンはシリコーンとも呼ばれる合成高分子化合物の総称です。このうちシャンプーに使われるのはシリコーンオイルという液状の油成分です。このシリコーンオイルは身近なところではヘアケア用品、リキッドファンデーションや日焼け止めクリームなどの化粧品、ティッシュペーパーや洗濯用柔軟剤などに含まれています。
シリコンには被膜を作る、熱に強いという特徴があります。そのためシリコン入りシャンプーは髪をコーティングしてドライヤーなどの熱から守り、艶を与えて質感を高めてくれるのです。
こう聞くとシリコンは避けるべきというよりも、むしろ入っていてほしい成分のように感じられるかもしれません。ではなぜシリコンは敬遠されがちなのでしょうか。
ひとつにはシリコンが毛穴をふさぐのではないかという心配があるようです。しかし実際にはしっかりとすすぐことができていれば、シリコンが毛穴に詰まることはありません。シリコンの有無というよりも、シャンプーのすすぎ残しが頭皮に悪影響をもたらすのです。
もうひとつ、シリコン入りシャンプーを常用しているとパーマやカラーが入りにくくなる可能性が挙げられます。すべての商品で起こるわけではありませんが、髪の表面をシリコンが何層にもコーティングすることでパーマ剤やカラー剤が髪内部に浸透しにくくなることもあるようです。
このように、シリコンは悪！と言い切るほど悪いものではありません。むしろメリットも多くあります。そもそも人体に有害であるならば、化粧品に配合されることはないでしょう。使っている化粧品にシリコンが配合されていることを知らないまま、シリコン入りシャンプーは髪に悪影響を及ぼすと思うのはちぐはぐしていておかしいですよね。
ただ、シリコン入りシャンプーよりもノンシリコンシャンプーが推奨される人もいます。
それは、髪にふんわりとしたボリュームを出したい人です。
シリコンによるコーティングがないので、軽くさらっとした洗い上りになります。ボリュームを気にする場合には、シリコンでしっとりまとめるよりも、ノンシリコンでふんわりさせるほうが良いでしょう。物は言いようで、「しっとり」は表現を変えれば「ぺったり」とも言えてしまうのです。
ただ、シリコンの熱や摩擦から髪を守る働きがなくなってしまいますので、髪がこすれたりもつれたりしないように丁寧に洗うよう意識してください。切れ毛や枝毛の原因となりますので、できるだけ摩擦を起こさないようにしましょう。さらにドライヤーの前に洗い流さないトリートメントを使って髪を保護できると良いですね。

髪質や頭皮の状態によって、シリコン入りシャンプーが合うのか、ノンシリコンシャンプーが合うのかは個人差があります。
また、単にシリコンの有無だけではなくどういった洗浄剤が使われているかという点も、合う合わないに大きな影響をもたらします。低価格市販品と高価格の美容室専売品にはやはり価格差に見合うだけの成分差があるのも事実です。
結局は予算との相談という面もありますが、「いつも使っているから」と惰性的に商品を購入するのではなく、成分や効能をよく見て良さそうに思えるものを試し、自分に合う製品を見つけてくださいね。