人の印象は見た目9割?メラビアンの法則を紐解く

印象、って難しいですね。
実際がどうであるかよりも印象のほうが相手に与える影響は大きいものです。
例えば、朝シャワーに入って洗髪したとしましょう。ついさっき髪を洗ってきたわけですから、清潔です。しかし、ぼさぼさのヘアスタイルでは清潔感がある印象は持ってもらえません。逆に昨晩髪を洗わなかったとしても、ニオイ対策してヘアスタイルを整えたとしたらどうでしょうか。
人の印象の不思議に迫ります。

人の印象は見た目9割?

「メラビアンの法則」をご存じですか。
「3Vの法則」「7-38-55ルール」などとも呼ばれています。
コミュニケーションをとるとき、話の内容だけがやり取りされているわけではありません。言語情報(Verbal)が7%、聴覚情報(Vocal)が38%、視覚情報(Visual)が55%の割合で相手に影響を与える、とされる心理学的法則と言われています。
実はこの解釈は俗説です。
実際には感情を伝える場面においてと非言語情報(ジェスチャー=視覚・声のトーン=聴覚)が一致していない場合、言語情報は7%しか影響を与えないというのが本来の研究結果です。
怒った顔で褒めても、褒められていると感じにくい、怒られていると感じてしまうと言えばわかりやすいでしょうか。
つまり、話している内容と非言語情報を一致させて感情を伝えることで、誤解のないコミュニケーションを、というのがこの法則の本質です。
俗説ではこの中の「言語情報が7%しか影響を与えない」点だけが独り歩きしているわけですね。
ただ拡大解釈ではありますが、人は見た目に大いに影響を受けるのは間違いないでしょう。第一印象を決めるにあたって清潔感は最重要視される項目と言われています。9割とは言わないにしても、やはり見た目をおろそかにすることはできませんね。

「見た目」をコントロールしよう

では見た目とは具体的には何を指すのか。
単に外見を指す、これだけでは不十分です。表情や声のトーン、装いに振る舞いまで含めた「非言語コミュニケーション」全体を指すと考えましょう。
つまり、フルメイクやきれいな服といった一番外側の部分だけを取り繕っても、見た目の印象をよくすることはできないのです。
外見は内面の一番外側と表される通り、心の持ちようは表情にあらわれ、「見た目」に直結します。
これを逆手に取り、表情や姿勢をよくすることで自分の気持ちまでコントロールする。つらくて、縮こまりそうな気持ちを急にポジティブにすることは難しいでしょう。しかし笑顔で背筋を伸ばせば、身体が心を元気にしてくれるという側面もあるのです。

ビジネスシーンにおいて「印象」は大変重要な要素です。特に接客の場合、印象の良し悪しは顧客満足度、ひいてはリピート率に直結します。
「見た目」をよくする努力は、内面を磨き上げることに繋がり、最終的には「内面からにじみ出る美しい見た目」へと帰結するのです。