素敵な「色」はどこから来るのか

メイクにおいて「色選び」は醍醐味の一つですよね。好きな色、似合う色でうまくメイクできるとそれだけで一日がうまくいくような気持ちになれます。
ところでその「色」がどこからやってきたものか考えたことはあるでしょうか。
今回はそんな色材についての豆知識です。

無機顔料

無機顔料は鉱物をパウダー状に細かく砕く、または化学的に合成して作られます。水や油に溶けず耐光性が高く色あせしにくいという特徴があります。
紫外線散乱剤として有名な酸化チタン、ベビーパウダーの主成分であるタルク、クレイ化粧品に配合されるカオリンといった白色もののほか、酸化鉄、グンジョウ、酸化クロムなどカラフルなもの、酸化チタン、マイカなどのパール感を出すものまで多種多様です。

タール色素(有機合成色素)

タール色素(有機合成色素)は主に石油から作られる芳香族化合物を原料に合成される色素です。
タール色素と聞くと「発がん性があるのではないのか」「悪い添加物のイメージがある」などと感じる人もいるかもしれませんが、タールという語感に引っ張られすぎていますね。実際には数十万以上ともいわれるタール色素のうち化粧品用として安全に使える80種ほどが法定色素として許可されているので安心です。化粧品として肌に塗るだけでなく、食用、医薬品用にも使われています。
「赤色2号」などといった形式のものはすべてタール色素ですが、化粧品の全成分表示では色と号を抜いた「赤2」などと表示されます。
またタール色素の扱いは国によって異なり、日本では使えても外国では使えないもの、その逆のものもあります。

天然色素

動植物や微生物由来の色素が天然色素です。色の付き・モチ、耐光性が弱く合成色素に押され気味でしたが、自然派化粧品ブームにより盛り返してきている印象です。
天然と言えば安全というイメージもありますが、フグや蛇、漆やスギ花粉を見れば分かるように自然界にも人間にとって害になるものが多数存在しています。安易に天然=安全、合成=危険と決めつけないことが大切です。

化粧品メーカーはこれらの色材を駆使し、使用感が良く魅惑的な色合いのメイクアップ化粧品を開発しています。使っているアイテムの成分表示を見てみると面白いかもしれませんね。