女性の薄毛は特別なことじゃない。そのメカニズムを徹底解説

漆黒で艶のある豊かな長い髪が美人の条件だった平安時代からも分かるように、日本では髪が重要視されてきました。顔よりもまずは髪が美人の条件というのも、今から考えると少し面白く不思議な感じもしますね。
時代は移り、黒く長い髪が美人の条件ではなくなり、もっと髪は自由になりましたね。それでも艶のある髪が美しさの大きな要素の一つであることは変わりません。
ところが残念なことに、年齢を重ねていくと髪は変化していきます。加齢によって、多くの女性が髪に悩みを抱えているのです。

ホルモンバランスの変化による抜け毛の増加

個人差はあるものの、30代ころから年齢によると思われる髪の悩みが出始めます。
パサつきや痛み、艶のなさや白髪から始まり、年齢を重ねるにしたがってうねり、ハリ・コシのなさ、ボリューム不足へと悩みは深まります。
とくに更年期に入り閉経へと体が変化していくと、ホルモンバランスが一変します。閉経前にはエストロゲンが一気に減少するのですが、実はこのエストロゲンは髪のハリやコシを保つ効果があるのです。
妊娠中にたっぷり出ていたエストロゲンは出産後一気に減ります。実際には妊娠前に戻っているだけですが、閉経と同じようなホルモンバランスの変化となるため、産後は抜け毛が目立ちます。
ただ、産後の抜け毛の増加は時間がたてば元に戻っていきます。しかし閉経による抜け毛の増加は元に戻ることがありません。

加齢に伴うヘアサイクルの変化

日本人では平均すると髪は10万本程度あると言われ、1日あたり100本ほどの抜け毛は生理現象です。髪が多く抜けているように見えても、そう見えているだけで実際には抜けすぎているわけではないこともあります。
ただし、細くて短い毛が抜けている場合には、それは年齢のサインの可能性があります。
本来抜けてしまう髪というのは、成長しきった髪です。それが短くて細い、つまり成長途中なのに抜けてしまう。これは加齢の影響で成長速度が遅くなったり、成長期の髪の割合が減って休止期の髪の割合が増えてしまったりしていることを意味します。

髪の質の低下自体は自然現象なので止めることは難しいとは言え、それをそのまま受け止めるのはなかなかつらいですね。
しかし諦める必要はありません。
まずはできること、例えば頭皮をマッサージして血行を良くする、ヘアスタイルやスタイリングを工夫するなどして自分なりのきれいな髪を目指していかがでしょうか。
場合によっては、受診も選択肢に入ります。皮膚科や内科では、抜け毛の原因に何か病気が隠れていないかどうかの検査や診療を行ってくれるでしょう。専門のクリニックで専門医に相談すれば、心も軽くなるかもしれませんね。