運動は美を運んでくる②メンタル強化

前回は運動による血行促進が直接的な美肌効果につながることをお伝えしました。これだけでも充分に取り組む価値がありそうですが、何と更なる効果もあります。
一見美容には興味がなさそうな男性たちがせっせと体を動かすのは、こちらの効果を期待しているからかもしれません。

ストレス耐性を増す

運動がストレス解消になる、そんな話を耳にしたことはありますか。運動嫌いの人にとっては驚くべき説ですが、実は科学的に証明されています。
少し難しい話になりますが、脳がストレスを感じるとコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。基本的にはコルチゾールの分泌は朝多く夜に少なくなり、一日の身体の活動リズムを整えています。ストレスを感じる状況にあるとき一時的にその分泌量を増やすことで対応しようとするのですが、ストレスが重なり続けると慢性的に分泌量が増えてしまうのです。
運動はこのコルチゾールの分泌を整える役割を果たします。運動も心身に負荷をかけるという意味ではストレスであり、コルチゾールの分泌が増えますが、運動が終了すればその分泌量をもとに戻すことを繰り返すうち、分泌コントロールがうまくいくようになります。結果として、運動以外でのストレスでも適切に分泌できるようになり、ストレスに負けない心身へと繋がっていくのです。
運動をすると心拍が上がり、ドキドキと苦しくなりますよね。この心拍数の上昇に慣れておくと、不安や緊張でドキドキした時にも身体は過剰反応しなくなります。運動は人為的にストレスを発生(運動を開始)させたあとそのストレスを見事に解消する(運動を終了する)という成功体験を体に染みつかせているとも言えるのです。
コルチゾールは脂肪を分解し代謝を促進する働きもあります。運動して痩せるのは単にカロリーを消費するからだけでなく、こういった複合的な作用によるものなのです。

もちろんこれ以外にも運動により体中にさまざまな作用がありますが、到底網羅することはできませんので今回はコルチゾールに注目してご紹介しました。
何より、難しいことを考えなくても運動中はつらい時もあるけれども運動後には気分がとても爽快になることを私たちは知っていますよね。
あれこれ理由をつけて身体を動かさないでいるデメリットは計り知れません。というよりも、運動によるメリットが大きすぎるので運動をしないのはもったいなくてしかたがないのです。
次回最終回はホルモンに焦点を当てます。皆さんにもお馴染みのあの幸せホルモンについてお伝えします。